宮城県には二つの解体宣言があります。一つは平成十四年に当時の宮城県福祉事業団が発した「船形コロニー施設解体宣言」、そしてもう一つが平成十六年に宮城県が発した「みやぎ知的障害者施設解体宣言」であります。私は今もってこの「解体」という言葉にどうしても納得できないのですが、先日船形コロニーの入所者の家族でつくる育成会より、「解体宣言を見直してほしい。」そして「無理な地域移行は絶対しないでほしい。」という切実なる陳情書が宮城県知事と宮城県議会議長宛に出されました。
 このことを受けて、私の所属する保健福祉委員会で12月13日に船形コロニーに行って、県社会福祉協議会・船形コロニー・育成会の皆さんのお話を聞いてきました。その中で最も驚いたのは「平成九年ころより、解体宣言に係る話し合いは続けてきたが、当事者や育成会の皆さんとは話してこなかった。」という県社協側(当時は福祉事業団)の説明でした。つまり、最もな関係者の声を聞かないで、宣言を決めていたことになるのです。
 「誰もが地域で暮らしていけるようにしよう!」という宣言そのものの趣旨には誰もが賛同していると思うのですが、しかし最も大切なこの宣言を関係者が一緒に作ってこなかったこと、そして宣言した後に説明をして一方的に理解を求められたこと等は、最も大切な経過をないがしろにしていたことになると思うのです。
 これからの県政において、「福祉」を大切にしようと思えば、尚のこと、一旦時計の針を戻して、宣言のような表現がいいのかも含めてじっくりと当事者・家族を含めた関係者の皆さんと話し合っていくことから始めるべきではないでしょうか。すごく遠回りかも知れませんが、じっくり話し合うことで信頼関係を築きながら進めていくことが、結局は解体宣言の趣旨に近づくことになるのだと思います。今後、県には勇気を持った、且つ丁寧なる対応を求めていきたいと思います。
 
宮城県議会議員 中島源陽